慣行農法( 農薬栽培 )とは異なる道を行く、有機農法( 無農薬栽培 )ですが、国連の SDGs( 持続可能な開発目標 )の考え方に合わせて、日本でも 2050 年カーボンニュートラルの実現を含め、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させる持続可能な食料システムを構築する戦略の素案が、農水省により検討されました。
内容的には、「 慣行農法( 農薬栽培 )= 減農薬 + 有機農法( 無農薬栽培 )= 推進 」の取り組み;
2050 年までに、
・多く使われているネオニコチノイド系農薬を含む従来の殺虫剤を使用しなくてもすむような新規農薬等の開発により、化学農薬の使用量( リスク換算 )を 50 %低減
・化学肥料の使用量を 30 %低減
・オーガニック市場を拡大しつつ、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を 25 %( 100 万 ha )に拡大
が骨子となる、
「 みどりの食料システム戦略 」( 農水省 2021 年 5 月 12 日 みどりの食料システム戦略本部決定 )が決定され、農水省の政策指針として、今後用いられることになりました。
農薬を減らせば、肥料を減らさざるを得ない( たとえ多収穫種子であっても、目一杯作ろうとして肥料を大量に投入すれば、やはり植物にとって無理をさせていることになり病害虫の被害を受け易くなるので、それを補うために農薬を大量投入せざるを得ない。
)
有機栽培( 無農薬栽培 )を全体の 25 %にまで拡大するのは、現在の 0.5 %を出発点とするのだから、30 年後とは言え、いささか困難を伴うのではないか?と心配になります。しかし、日本人は食の安全を気にしますから、有機栽培(
無農薬栽培 )はヨーロッパの 10 %程度よりも大きくなっていてもおかしくないと考えてきたので、SDGs への対応等の本戦略の目的をどう捉えるか?と言う点とは別にして、減農薬・無農薬推進という行政の方向性には好印象です。
まずは、小規模零細農家への補助金・助成金足切りを止めてください。自給的農家などと呼んで切り捨てずに、中大規模農と同じ基準で、小規模零細農を含む、すべての農家に同じ様に補助金を出しましょう。有機農法( 無農薬栽培
)は、小規模零細農が中心ですよ。小規模零細農を差別しないで、他と同じように補助金を出すべきです。そうすれば、限界集落の窮乏問題も解決に近づくと思います。地方の限界集落問題は、経済問題なんです。小規模零細農が高給取りなら、後継ぎ問題・農家の高齢化の問題は一気に片付きますよ。集落営農なんて、撤退戦の一形態でこそあれ、これからの農業には意味がありません。
私は、農薬安全プロパガンダが有機栽培( 無農薬栽培 )の普及を妨げてきたに過ぎない、と考えているので、「 みどりの食料システム戦略 」という形で、有機農法( 無農薬栽培 )推進という行政のお墨付きを得れば、情緒的な農薬必要論の混乱から一定の距離を取って「 食の安全 」を考えるきっかけになることでしょう。
いずれにせよ、今までの様に、沢山作って農産物の小売価格を下げよう、一辺倒では、私たち消費者の選択肢が狭まるばかりです。知能・精神障害、アレルギー等の免疫疾患が日本国民全体で増勢傾向にあるのですから、脳や腸内細菌叢への悪影響がある可能性があれば、そういう物質は少しでも避けたいと考えて当然ですし、そのために有機栽培( 無農薬栽培 )という選択肢があった方が良いと思うのは自然です。
有機農法( 無農薬栽培 )推進に対して、イデオロギチックな反論をする、自称専門家も居るけれど、人間に対する農薬の安全性を動物実験では完全に評価・確認できていないことは、事実なのですから、慣行農法(
農薬栽培 )で充分だ、慣行農法( 農薬栽培 )の方が進歩的なのだ、と言われても困りますね。慣行農法( 農薬栽培 )と有機栽培( 無農薬栽培 )を同一線上においている段階で、考えが足りない。専門家失格です。まあ、自称なんですけれどね。
全く違う農産物であり、一つの評価軸( 高い安い )だけで判断すべきではありません。選択肢を増やすという実利的な効用を考えるべきです。
イデオロギチックで極端なヴィーガンの議論の様に、これしかない、肉は駄目と言うところまで行くと、私はついていけない。そのうち、環境のために大型車は駄目、軽自動車に皆で乗ろうとでも言い出すのでしょうが、何かねえ。そりゃあまあ、環境には良いのだろうけれど。贅沢は敵だ!戦時中ですか?
それと同じで、日本のような自由主義先進国であれば、小売価格だけを評価基準にするのではなく、農産物には様々な評価基準があっても良いものと思います。
気になる点は、2 点;
(1)検討チームの中心担当者が、大臣官房技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長であることが理由なのだろうけれど、種子開発にゲノム技術の推進( 具体的には、遺伝子編集種子 )を当然のように織り込んできた。また、2050 年までには、種子メーカーは、 遺伝子編集種子に加えて、除草剤耐性遺伝子組換え種子、殺虫成分組込み遺伝子組換え種子、などの上市を、農薬メーカーは、RNA
農薬( ゲノム農薬 )の上市を、期待しているだろう。
本戦略では、有機農法( 無農薬栽培 )を 25 %に置いているが、逆に残りの 75 %の農地では、慣行農法( 農薬栽培 )がおこなわれていることになり、こちらの
75 %の慣行農法( 農薬栽培 )の方では RNA 農薬( ゲノム農薬 )・ゲノム種子を使い放題と言うのでは、「 国民全体の食の安全 」と言う観点から、本戦略推進により、実質的にリスクが減ったことになるのかどうかが良くわからない。
だから、今までは、規模拡大政策、あるいは、農産物の生産者価格だけを評価指標としてきたこと、について、本戦略の方向性との関係で、ネガティブなコメントがあれば良かったと思う。この政策を取っている限り、慣行農法( 農薬栽培 )は、コスト低減で収れんしてしまいます。誰かがゲノム技術を使えば、仮に疑問を持つ農家が居ても、皆使わざるを得ない。
(2)農薬の使用量をリスク換算で減らす、とあるけれども、リスク換算の方法が重要になってくる。
例えば、特別栽培農産物は、散布回数を基準として増減を判断している。農薬個々にそもそも標準散布回数が違うのに、単純に散布回数を減らす、としたから、効果が大きく残効期間が長いために、例えば、散布が一回で済むような新規農薬への切り替えが助長されることになった。
特別栽培農産物制度は、農薬メーカーは新製品への切り替えに役立ったし、農家は散布回数減で作業合理化にはつながったけれども、農薬散布による健康被害の蓋然性が、実質的に低下したのかどうかはわからない。
評価制度は制度設計のかなめ( 神の見えざる手 )で、制度が生きるも死ぬも評価制度次第と言うところがあるので、ぜひ健康被害の可能性が実質的に減るようなリスク換算評価基準を設計・運用してもらいたいものと、農水省に期待している。
ちなみに、厚労省は、リスクと言うあいまいな概念を良く用いています。厚労省管轄の加工食品本体、あるいは、食品添加物に関して、リスク云々と言うのは今まで放置することができました。
加工食品や外食を避ければ、食品添加物のほぼ全てを避けることができるからです。
厚労省の「 リスク 」は、= 健康被害の程度 × 被害発生の蓋然性( 確率、% ) ということです。
今まで、「 安全 」と言う場合は、被害発生の可能性( 0 か 1 か )を考えていました。
だから、リスクという概念は、健康被害が小さければ甘受しよう、という安全の概念を広げる考え方だと理解できます。
厚労省は、食品にゼロリスクは無い、などと妄言を繰り返しますが、本当にそうかな?今まで食べてきた食品を今までの様に食べていれば、長期にわたる人体実験が済んでいるので、ゼロリスクですよ。安全です。違いますかね?実際に人間が食べて健康被害が出なければ、ゼロリスクですよ。
食品について言うなら、人間の長い歴史において、身体が適応もしています。
例えば、天然放射性物質である、カリウム 40 は豊富に農産物に含まれています。我われの身の回りに沢山ありますからね。これは放射性物質なので、当然に内部被ばくもしますが、代謝が早い。すぐに身体から出てゆく。外部被ばくは大したことがありません。そして、カリウム
40 の被ばくで死ぬような個体、健康被害を受けるような個体は、既に自然淘汰されて居なくなっている筈です。
この点は、核反応などで新しく作られる人工核種とは、放射性物質ゆえに内部被ばくする点は同じですが、代謝がまったく違うでしょうね。
つまり、天然放射性物質は、人間との付き合いが長い分、安全な付き合いになっているんです。
化学物質も同じです。天然の化学物質は、料理法の工夫を始め、付き合い方がわかっています。でなきゃあ、そういう個体はとっくに死んでる。新規化学物質は、新顔だからそうではない。だから、健康被害の危険性がある。つまり、我々は新規化学物質を主に気を付けていれば、問題ない。
そして、我々が新規物質の安全に気を付ける上で、科学的安全性評価試験なる動物実験が充分なものかどうかと言う話になるんです。
農薬安全プロパガンダ工作員は、今までは、科学的安全性評価試験をパスしている、安全だと言ってきましたが、ここのところ、リスクと言う概念を持ち出し、天然毒も危険だ、ゼロリスクではない、人工毒も天然毒も同じことだ、と文脈を変えてきています。
食品に含まれる、天然毒云々という反論は、人間の進化適応の過程を無視しています。適応していない原始人の発言なのでしょうか?馬鹿だから、天然と人工の区別がつかないのかしら?
今まで、問題なく食べてきているわけで、確かに、山で毒キノコを食べて、食中毒死などと言うケースはありますが、、、天然毒に関する知識が充分にあれば、避けられる事故と思いますし、知識の問題と化学農薬の安全性の話とは関係ないですよ。
天然農薬も長い使用実績があるのであって、一方、化学農薬など戦後でしょう。天然農薬危険論を言う人は、天然農薬も化学農薬も混ぜて応援なんだよね。
新規食品添加物を使いたいのは、食品添加物メーカーが販売により利益を得たいからであって、そこで、ゼロリスクは無い、少々リスクがあっても使おう、などとやると、食品添加剤メーカーが利益を得るために一定の健康被害には目をつぶれ、と言うことと同じではありませんか?農薬も同じことです。農薬メーカーの利益の為でしょう。
確かに、厳しく安全を求めると、天然由来の、ワサビ成分や除虫菊成分の化学合成品などを含めて、天然農薬しかゼロリスクで使えなくなりますが、昔はそれでも問題なく生活できたので、ゼロリスクが出発点にならないとおかしい。
科学的安全性試験において、動物実験でいくら健康被害の程度や蓋然性を予想したところで、その予想値はあくまで目安であって、それ以上のものではない、と言うことも念頭に置いた方が良いと思います。科学的にエビデンスで判断、、、などとよく言いますが、所詮、動物実験のデータであり、その程度のものです。
種苗法改正が施行された2021 年 4 月 1 日から日も浅い、本年夏には遺伝子編集種子第一号が販売開始されるそうなので、ゲノム種子の開発に対して知的財産権保護を与えるために、唐突に種苗法改正が実施されたと言っても問題が無いと思う。間に合わせた感が強いですから。
ゲノム育種に関しても、遺伝子欠落型突然変異奇形種は民間活力を求める段階になく、公共機関で安全性をできる限り追求してから販売するようにして欲しいのは、前に述べた通りです;
例えば、人間には成長抑制遺伝子があり、いくら食べても身長 5 m の大男はいませんよね。せいぜい 2 mくらい。
そして、肥満の体形などは、国によって違うでしょ。外国人には丸い球から足が 2 本出て歩いている様な人が居るけれど、日本人にはいませんよね。なぜなら、日本人はああいう体形になるまで肥満できないで、糖尿病などで死んじゃうんです。遺伝子の違い(
インスリン抵抗性遺伝形質 )があると言われています。
成長抑制遺伝子が欠損すれば、身長は 2 mを超えて、大きくなります。例えば、家畜・養殖のゲノム研究では、肉厚マダイ( 京大 )、などのケースで、筋肉増加抑制機能を削除する研究・開発が進んでいますね。
家畜などの身の部分が効率的に大きくなるから良いですねって、、、本当にそうですか?筋肉が増えるように餌を多くやれば、身体が標準より大きくなるのに並行して、人間の様に糖尿病が増えませんか?(
家畜に糖尿病があるかどうか良く知りませんが。)
私は、病弱な、あるいは、病気にり患している家畜・養殖・農産物を食べるのには、大いに抵抗がありますね。( 食品衛生法第 6 条第 3 項で、病死家畜は、安全なもの以外は食品として販売できない。)
自然界にも遺伝子欠損型の突然変異があるから、遺伝子が欠落しても安全だ、と主張する人もいますが、自然界は厳しいですからね。奇形種はなかなか生き残れないんです。だから、逆に生き残れたものが、天然の遺伝子欠損型突然変異種として栽培されているんです。遺伝子欠損させたらこんなにメリットあるよ、と言うのは良いんですが、理由があって存在している遺伝子なんです。もし、必要がない遺伝子と言うのなら、そもそもそこに存在しないんじゃないの?
つまり、仮に目的の遺伝子が欠損し、期待された効果が出る突然変異が得られたとしましょう。その結果、病弱になるなど、目に見えないデメリットが付随したらどうしますか?例えば、人間なら、今までは、成長抑制遺伝子があるおかげで糖尿病が抑制されていたけれども、欠損したらどんどん太って直ぐに糖尿病で死にますよ。
普通は、健康な家畜・養殖・農産物を食べたいですよね。発症しているけれども死亡はしておらず、外観からはわからない場合もあります。多くの遺伝子は、いろいろな生体システムに関係していますが、すべての生体システムの解明など出来ていない。欠損した遺伝子以外の場所で何が起こっているか、充分にわかっていないんです。
対象動物・植物の体内システムすべてを解明した上で、この遺伝子を欠落させても、期待されるメリット( 多くの場合、多収とか、栄養価が高いとか、)だけしか無いから、遺伝子編集しても安全です!、、、と言えるのなら良いのですが、すべての解明など遠い将来でもできないと思います。つまり、今まで在った遺伝子を減らしただけだから問題ない、、、という単純な話では済まないデメリットが農産物体内の別な器官で起こっている可能性があります。
イチロー( 野球選手 )が、ウエイトトレーニングはしない。肉体改造で持って生まれたバランスを崩してはダメ。筋肉が大きくなっても、支えている腱とか関節とかは鍛えられないから、壊れちゃう、と語っていましたが、参考になる考え方です。身体全体に与える影響を確認もせずに、部分的に改造するのは、良く言えば大胆、悪く言えば短慮とも考えられます。全体バランスを考えていないんですよ。
例えば、遺伝子編集によって一部の栄養素( GABA など )が多く蓄えられるようになり、結果増加するのは良いのですが、ではなぜ今まで多く蓄えられなかったのでしょう?多く蓄えたら、何か不都合なことはありませんか?自然界に、無駄な機能を持つ遺伝子があるのですか?
結局のところ、農産物の内部における、生体システム的な影響は完全にはわかりません。ですから、化学農薬と同様に、科学的安全性評価試験を動物実験でやっていて、安全は確保できています、、、としています。
しかし、その科学的安全性には動物実験の限界があるのは既述の通りです。人間にしかない、高次機能を持つ脳とか、個々人独自の腸内細菌叢とか、に対する健康影響は、動物実験では評価・確認できません。技術者の努力には敬意を表しますが、遠い将来でも無理でしょう。人間と動物とでは、そもそも身体が違うんですよ。
だからと言って、このゲノム種子を売りたいから、万が一副作用が起きても治療法がわからないのに、人間で安全性を試させてよ( 臨床試験 )、なんて言うのは無理筋な話で、目の前に死にかけた患者が居る医薬品開発で臨床試験をしている場合とは、大きく異なるでしょう。
今の科学的安全性評価なるものは、長い間の技術者の努力で、より良い試験方法になっているけれども、現時点において、動物実験の評価で人間への健康被害を完全に予想することなどできないんです。そして、今そういう部分の健康被害が、疾病原因不明ではあるものの増加傾向にあります。
どちらかと言えば、見切り発車に近い。こういう理解を前提にして、科学的安全性評価試験と付き合った方が良いと思います。
この様に、有機農産物( 無農薬栽培 )の重要性が増しつつある一方で、有機農産物( 無農薬栽培 )の定義を広げようという動きがあることは、前にご紹介しました。
日本の有機 JAS の定義( 無農薬栽培 )は、国連のコーデックスを指針にしていますが、用語の定義において、
GEO( genetically engineered organism )/GMO( genetically modified organism
)の定義が検討中であり、国連での検討期間中においては、各国の国内法で定めることができるようになっています。
もともとは、GEO と GMO は同義的に使われることが一般的で、ヨーロッパではGMOが、米国ではGEOが用いられてきました。今は、GMO が良く使われるようになっています。
普通に読んだら、「 GMO = 遺伝子工学技術を用いて人工的に遺伝子を改変した 」になります。
そして、有機 JAS の規格に関しては、規格運用上の難点があるために、海外動向を見て、と言う理由で、2020 年 1 月 31 日から日本農林規格調査会の審議が進まずに、有機 JAS において遺伝子編集種子の禁止ができずに現在に至っています。
確かに、遺伝子欠落型突然変異奇形種子は、天然のものも、また、遺伝子工学技術を用いずに人工開発されたものも存在し、しかもこれらは既に有機 JAS として、販売されているという実績があります。ここで、遺伝子工学技術を用いた種子だけを規制したところで、その種子から作られた農作物で判断するならば、既に使われている他の遺伝子欠落型突然変異奇形種子とゲノム技術を用いた奇形種子との区別ができないという難点があります。
既に奇形種子は使われているのだから、遺伝子編集型奇形種子も良いじゃないか、という議論に反論するなら、
天然の遺伝子欠落型突然変異奇形種で営農に用いられているケースは、大変にまれであり、
多くのケースは、人工の放射線照射突然変異誘発型奇形種であることを考えると、
今まで有機 JAS に使用可だった遺伝子欠落型突然変異奇形種は、人工の放射線照射突然変異誘発型奇形種がほとんどで、そもそも、人工物を避ける有機農産物の趣旨に合致していたのか、疑わしい。
天然と人工を合わせても、今までは遺伝子欠落型突然変異奇形種子は、使われている数が少ないので、お目こぼしをしていただけじゃあないの?
今回この機会に、放射線照射突然変異誘発型奇形種を、有機 JAS から除外したらどうか?
天然のものは、本当に少ないけれど、どうしても有機 JAS に含めたいなら、個々に生産者の届け出を必要とする、などと規制することにより、規制違反を農産物から確認することは問題なく可能である。
ともかく、早い段階で遺伝子編集種子を有機 JAS から除外してもらわないと、遺伝子編集種子の販売が始まりつつある現在、使用実績が増えれば、事実上の使用可になってしまいます。また、事実上のお目こぼしを狙っているのか、、、?
こういう審議会・委員会の人選は行政がおこなっているし、審議の進み方も行政の想定内だろう。( そもそも想定内の発言をしない人は、政策アドバイザーなどには呼ばれない。選抜基準は、本人の能力とは関係が無い。行政の書いた筋書きの予定調和を壊さないか、どうか、と言う観点が重要視されているでしょうね。)
有機 JAS 規格における、遺伝子組換えの定義に、遺伝子編集を含めるべき、と行政から発案があった際には、行政の意図を計りかねていたが、審議会ペンディングのまま、事実上、有機
JAS に遺伝子編集種子を含める、ということなのだろうか?
そこまでやるの?とは思いたくないが、万が一そうだとするならば、今回の行政の台本は姑息にすぎる。行政はとても信頼するに値しない、と言うところでしょう。くだらない奴ら、だ。
農地開放以降、独立自営農が多数誕生した我が国でしたが、生産者価格がある程度のレベルに維持されることが続くことはなく、生産物の需要減退・供給過剰、為替が大幅に円高に振れてからは、国際競争力と言う名分の下に、行政により、生産者価格が大幅に切り上げられ、営農規模の拡大が強く促進されています。
近年にいたっては法人の新規参入による、経営能力・活力アップまでが期待されています。いやはや、何とも。
農薬安全プロパガンダ、はこういう状況の中で出てきました。農薬の存在が、営農規模拡大政策を支援するのは良いのですが、その結果、小規模零細農家の離農が増え、生産能力の基となる農地の半減を招いたわけですから、生産量の拡大支援を通じて自給率アップに貢献してきたと言うことは、事実に反しています。ぜひ、Fact
Check したらどうですか?実際に我が国の食糧自給率は、低下の一途です。
行政が、米・野菜について、米国の大規模企業営農を目標とするのは不思議です。
日本国内でいくら拡大しても、米国の穀物農家よりも営農規模を大きくすることはできないでしょう?いつになったら国際競争力がついたと言えるのでしょうね。行政はいつまででも規模拡大が足りない、と言っていれば、農政の失敗を誤魔化せますよね。でも、これはどこかで聞いたことがある言葉です。
心からの謝罪が足りない、日本は国際化が足りない、信心が足りない( 被害がこれで済んだのは、不十分ではあるけれども信心のお陰 )、、、等々。この手の弁明者は、一体いつまでやれば、効果が出るのか、明確に言えるのでしょうか?わかっているのなら、教えて欲しいものです。まあ、何時効果が出るのかを前もって言わないところがこの左翼論法のミソなんでしょうが。
大規模化もなかなか結果が出ないようですが、最初に建てた方針に間違いはないのですか?今までもその方針は効果が出ませんでしたよね。むしろ悪い結果が出ている。これ以上その方針を徹底すれば、もっと悪い結果になりませんか?
それぞれの国で、それぞれの国の栽培環境にあった農法に収れんしてゆくのでしょう。各国が皆、穀物生産方式の目標を米国方式に置いているわけではありません。私には、日本人に合った生産方式として、個々の農家が地平線まで見渡す限りの農場で、農薬をどばっと撒いて、大型トラクターでどさっと収穫して、サイロに入れて、大型トラックでどーんと出荷してゆく、というイメージがまったく浮かびません。でも、同じ規模でやらないと国際競争力がつかないのですよね。誰がやるのでしょう?
多くの日本人は自分の手が届く範囲に責任を持ち精魂をこめると言う生き様で、これは一生懸命( 一所懸命が語源 )の頃から民族の特性として変わりません。であるならば、それを活かせる有機栽培( 無農薬栽培 )の方が、日本人に合っているのではないでしょうか。もともと我々は効率性のみを追求してきたわけではないですよね。
手が届く範囲は、戦前までの小作制度を見ればわかります。農薬を使い始める前までは、小作人がそれぞれの圃場で生産していました。その圃場の面積は、それほど広いものではなかった。それこそ手の届く範囲でした。それらの圃場を個々人が守ってきたんです。それで生活できたんです。農薬や大型農機が新登場したからといって、それがどうした?
確かに、単位面積当たりの農地での生産量を増やそうとすると、農薬や大型農機が必要になるけれど、ずいぶん昔から今まで、米は供給過剰が続いているんですよ。
大規模化して国際競争力!なんて言う実験をしたいのなら、小麦で徹底的にやればいいでしょう。恐らく米国の規模までゆかないと勝てないでしょうね。25
円/kg ほどで輸入されていますよ。米国小麦は米国小麦でこの低価格の薄利多売では農家に苦しみもあると思いますけれどね。
だから、農薬と大型農機は離農にしか結びついてこなかったし、農地面積の減少しかもたらしていないんですよ。
今まで、事実として農地半減と言う結果になっているので、まだ規模拡大政策を続けようと言うのは、学習効果が無いとしか考えられません。
そして、規模拡大政策を徹底すると、最終的には資金力の争いになり、大規模法人が有利になります。
販路を抑えているスーパーなどの小売りチェーン、コンビニを子会社に持つ巨大商社、加工食品の販路を抑えている加工食品メーカー、全国展開している外食チェーン、世界的に名前が知られた巨大製造メーカー、、、等が新規参入したら、10
ha やそこらで仲良く競争してくれるとは、まったく思いません。アホですか?
どこか 1 社が入ったならば、対抗上、同じ業界の競合他社も参入するんじゃない?大競争勃発だね。これが行政が想定している民間活力かな?個人農家が太刀打ちできるわけないじゃない、馬鹿馬鹿しい。
これは、
・農地法 2009 年改正( 井出道雄 農水事務次官 )により、一般企業にリースによる事実上無制限の農地利用を認めたこと、そして、
・種子法廃止 2017 年( 奥原正明 農水事務次官 )により、米種子市場に一般企業介入の機会を与えたこと、もちろん種子販売だけでは終わらない、
が大きく影響している。いずれ、両者は歴史的な再評価を受けることになると思う。農家に生産効率を過剰に押し付けることになった。
農地法改正だけなら、トマトや野菜でちまちま企業営農をやっている程度で済んだんだけれども、米は一品種で量が多いから収益をあげ易い。種子法廃止で、米市場という大きな市場を民間解放したのは痛かったね。
農薬の危険性については、特に殺虫剤、そして、除草剤・殺菌剤についても、私なりに論理的に主張しています。良く見られる極左的な、感情的・非論理的な議論とは一線を画しているつもりです。あれは、その非論理性を突かれて、結果かえって農薬メーカーの主張を補強するというプロレスごっこであることが多いですね。グルとまでは言いませんが。(
農薬安全プロパガンダ工作員による反論も、非論理的なスリカエが多いのですが、、、)
科学的安全性評価なるものが、所詮は動物実験であることに起因する限界があるのだ、という考え方は、世界中のまともな毒性学者にとって、当たり前のことです。人間の体内動態と動物の体内動態とではそもそも違いがあるのだから、当然でしょ、ということです。
ペット用のノミ取りの類の話ではないんですよ。動物への影響は、動物実験でわかりますよ。でも、人間に対する安全性の問題は別ですよ。
食品は、人間にとって、健康被害があるか、無いかが問題なんです。動物実験やりましたぁ、大丈夫です、とうれしそうに言われてもね。安全性評価試験は、農薬販売許可の法的効果しかないんです。販売できるけれど、その安全を国が保証したものではありません。たかが動物実験で安全を保証したと騒ぐのは、利益関係がある農薬メーカーの類でしょうが、販促行為という弁解では済まない下品さがあります。
農薬はただの必要悪なんですよ、農薬が必要な農家にとっての。
もしも動物実験から人間の健康被害が完全に予想できる科学的安全性評価方法が見つかったのだとすれば、医薬品の薬害なるものは存在しなくなります。動物実験で副作用が完全に予想できますからね。しかし、残念ですが、現実にはそうなっていません。これが事実( Fact )なんです。
ですので、有機農産物( 無農薬栽培 )と慣行栽培農産物( 農薬栽培 )とは、全く異なる特徴を持っています。マーケットが全く異なるのだ、と読者の皆様にご理解をいただけたら、とてもうれしく思います。
特に、妊娠可能な女子( 卵子 )・妊婦( 胎児 )・乳幼児・小児は、肉体が発達過程にあり、異物から受ける影響が、成人に比べて激しく大きい場合が多いです。(
小児用の医薬品は、成人用とは別に試験をして個別に認可されています。単に、成人向けの服用量を減らせばいいだけではないです。)だから、彼らの脳に与える影響を用心して避けておく、というのは、間違っていると思われません。
脳は、その部位ごとに果たしている機能がまだ良くわかっていないし、、、健康被害を受けても治すなんてことはとてもできません。現在はむろんダメですし、遠い将来でも脳の治療は不可能でしょう。
だから、脳に入る物質を可能な限り避けると言うことは、慎重ではあっても、無駄とは思いません。腸内細菌叢への影響を考慮することも同様に重要です。
有機農産物( 無農薬栽培 )は脳や腸内細菌叢への影響を抑えた商品です。
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