大づかみに経済性を考えるときに良く用いられる概念として、反当り収量があります。
米の銘柄ごとに収穫量は異なるし、その年の作柄、中山間地の棚田か、大農経営ができる平野部か、でも異なります。
概して、天候に恵まれた場合、
化学農薬・化学肥料・除草剤を用いた場合、600 Kg/年・反、
無化学農薬で、 360 Kg/年・反、
無化学農薬・無化学肥料で、 300 Kg/年・反、
さらに、無除草剤で、- 10 % 240 Kg/年・反、
と置いてみることにします。米は、玄米です。
米はスーパーマーケットでは、Kg当たり 300 円ほどからです。
その価格水準では、スーパーマーケットの利益を 0 と置いて、反当り 600 Kgのケースで、年間売上 18 万円です。
米専業農家は、30 反以上必要とされるゆえんです。もちろん現実には、流通マージンがありますので、農家の手取りはおおむね半分くらいでしょう。
ある程度の規模でおこなわないと、米つくりは採算を取るのが厳しい価格水準に既になっています。
この価格水準では、経済的に成立させるために、大農経営を志向せざるを得ず、新規就農者が米作を選んだ場合、
・広い農地を借りる( 買う )費用、
・大農経営にともない、必要な農業機械を購入する費用、
などを、就業時に最初から準備することが必要になります。
現在の米の価格水準では、新規就農には大金の準備が必要になっています。
一番下の無除草剤のケースでは、一定程度の手/機械除草を織り込んでいます。何もしなければ、収穫率はさらにダウンします。
除草剤を使わない代わりに、「 作業量 」が増えますので、収穫減見合い以上の価格アップがないと、生産者に長期の対応を求めづらいところがあります。また、除草剤を使わない場合、手/機械除草の面積的限界もでてきます。( つまり、薄利を多売で解消するにも、除草できる面積から、限界がきます )
上記のように、農薬の摂取を避けたいと考えた場合、減収・過重労働をまかなう価格アップとのトレードオフになります。
その場合の価格アップは、現在の価格水準と比較すると、どうしても数倍という高水準にならざるを得ません。
10 Kg 単位で見ると一見高く感じますが、お茶碗にすると、約 130 杯分に当たります。
つまり、10 Kg 3,000 円が 12,000 円となると、確かに高いですが、白米茶碗 1 杯にすれば、22 円が 90 円です。1 日にすれば、3 杯で 270 円のことになります。差額は、180 円です。
一日当たり 300 円ほどという金額は、一日コーヒー一杯分の、、、という表現がありますが、「 安心感 」と「 無農薬という栽培技術 」を評価するものとして、高価すぎるでしょうか?
有機栽培( 無化学農薬・無化学肥料・無遺伝子組換技術 )は、単位面積当たりの収量が落ち、また、無農薬栽培をおこなうにあたって有利な小規模営農になりますから、小規模では薄利多売が使えずに、どうしても割高になります。
しかし、大規模営農では、無農薬は難しいので、小売価格とのトレードオフになります。 上記事情につき、ご了解をいただけますように、農家ともどもよろしくお願い申し上げます。
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