具体的な手法としては、
・品種改良により、多収品種を開発する、
・多収品種は病虫害に弱い傾向があるので、化学農薬散布で防除する、
・単位面積当たりの収量増に対応した養分不足を解消するために、化学肥料を投与する、
・単位面積当たりの収量増に対応した水不足を解消するために、かんがい施設を整備する、
を骨子としていました。
この農薬・肥料・水資源の大量投入をおこなう、一連の工業的な手法は、米・小麦・とうもろこしで、生産量を 2 - 3 倍にまで増やし、その実績が受け入れられて、その他の果実・野菜を含めた、すべての農作物増産のための手法として近代農法と呼ばれ採用されて、現在に至っています。
東南アジア、南アジアで食糧危機を克服したことを始めとして、アメリカ、アルゼンチン、アフリカなどでも農地拡大、生産量増大に貢献しました。
このように画期的な効果を収めた「 緑の革命 」は、その取り組みを継続してゆく中、一方で、様々な問題が生じています。
主なものとしては、
1.特に農家を中心に、健康被害が多発しており、化学農薬の使用が原因ではないか、と疑われている。
健康被害は、比較的直接的な死亡、などから問題視され始めましたが、長期間にわたる暴露による癌の発生、精神面への影響( うつなど )、アレルギー、化学物質過敏症、膠原病などとの関連も指摘されています。
2.化学肥料の多用により、外見は同じように見える農作物の収穫増大には結びついたが、化学肥料で補っていない元素、微量要素が欠乏し、長期的には、健康被害を生んでいる。
植物が身体を作るためには、窒素・リン・カリ以外にも、微量ミネラルが必要ですが、欠乏した形で収穫されています。これらは、植物の見た目には影響せず、短期的には健康上の問題がありませんでしたが、長期的には摂取した人に健康被害をもたらしている、という指摘があります。
3.かんがいにより農地面積の増加に対して、農作業( 耕起 )の結果、表面土壌が風雨により、浸食されやすくなり、塩害などを含めて、土壌劣化・農地の喪失が生じている。
乾燥地帯での灌漑により、農地が増えたのは良いのですが、多くは地下水散布で、それまで地中にあった塩類が、地表に析出したりしています。また、除草のための耕起により、地表面の硬さが失われ、風食や水食により、表土が失われたりしています。
これら諸課題に対して、
1.、2.の欠点を是正するべく、ヨーロッパ型の有機農法への取り組み、あるいは、
従来からの単位面積当たり収穫量を重視し、穀物輸出国の立場を維持しようとする、米国型の遺伝子組み換え技術を利用する不耕起農法
が提案されています。
以降、見てゆくことにします。
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